離れて見るとE・T
先日、わが家に突如現れた「おはるの間」
外から見れば変わらずなんてことない一軒家、
でもこの家には人知れずとんでもないものが住みついた。
ご近所との交流を断ち、ひっそり3人だけの慎ましい生活を送ってきたわが家にとってみれば、種の壁を越えたそれは「ペリー」どころか「宇宙人」の襲来といっても過言ではない。
柵の外から眺める分には、ほとんどを寝て過ごし不思議とまったく吠えることもしなかった。
あまりにも静すぎてどこか具合が悪いのかな?と少し心配になるほどに。
でもその安らかな寝顔の柔らかさ、伸びた足先に見える桜色の肉球は、たとえ同じ宇宙人だとしても好戦的なプレデターではなく、心優しいE・Tであるに違いなかった。
すやぁ…
しかしそれは、うっかり「間」に足を踏み入れなければの話。
かつての秋田マタギの伴侶、そのDNAは令和生まれのおはるにもしっかり受け継がれていたのである。
足を踏み入れればプレデター
まずはうっかり通り抜けようとする。
柵のロックをガチャンと外せば、何かを期待するつぶらな瞳。
意を消して足を踏み入れれば、体を弾ませながら茶色いゴムまりが襲い掛かってきた。
見た目よりしっかりとした顎の力と、回り込んで的確にアキレス腱をねらってくるあたり、マタギ伝説に嘘偽りはないようである。
油断させてからの、、
捕って!
引いて!
噛む!
噛む!!
以前の投稿記事のとおり、
玄関から外に出るにも、居間にいくにもこの「間」を通らねばないない構造になっている。
さらに言うなら、トイレも柵の向こう側である。
かくして平和なわが家に狩るものと狩られるものの構図が加わった。
おはるからすれば、それはあくまで本能に根差したコミュニケーション、遊びであるようだったけれど
だからと言って噛まれる痛みが和らぐわけでもない…。
噛み癖対策の秘密道具
結果、対抗措置として考案された秘密道具が
バススリッパ!
お風呂掃除のときに履くあれである。
着脱の容易さ、軽量性、360度を隈なく覆う堅牢さ、
たとえ穴が開いてもその小さな牙は肌まで届くことはない。
風呂掃除をしていれば、どっちみち濡れるしいらなくない?と見下していた、あのバススリッパが放つ意外な頼もしさ。
痛くないのもそうだが、
何よりこれで落ち着いて躾けに専念することができるようになった。
まず足に気を取られている隙に、上から顎をつかみ地面にぐっと押さえつける。
何とか逃れようとするので今度は首の根っこも押さえつける。
待つこと数秒、心を鬼にしての我慢比べの末、
やがて身体を脱力させ「きゅ~ん」と切なげな鳴き声が聞こえれば降参の合図。
そっと手を放してやるとそのまま「しおらしさ」の形でプレスされ固まったおはる。
あとは疲れて足をベッドに寝ていたりしたものである。
戦いの末(すやぁ…)
もちろん1回だけでは治らず根気のいる作業。
何日も続く奇妙なバススリッパ生活と、リベンジに燃え日々手強くなっていくおはる。
成長を地肌で感じつつ、さすがにそれでは心もとなくなってきたころ、永久歯に生え変わったおはるの噛み癖は急速な軟化傾向に向かうことになる。
3年たった今もちょくちょく噛みついてくることはあれど、しっかり力加減の出来ているそれは、あの穴だらけになったバススリッパがあったからこそであると、
メーカーさんには大変感謝しているのである。
Youtubeもやってます⇒秋田犬はるノ嬢@すぷりんぐちゃんねる(https://www.youtube.com/@user-zo6pt5rc2w)
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