まずは程よいスペース探し
衣食住は基本の「き」
だけれどこの子にはすでに
搔きわけても搔きわけても地肌の見えない立派な毛が生えており
今も買ってきたドックフードをもりもり食べている。
つまるところ目下の課題は「住」であった。
わが家に住むとはいえ問題はもっとミクロなところ
この子の住む部屋どこにしようかという話。
少し調べてみると
秋田犬は体重40キロ、両手で抱え込めないくらい大きくなるらしい。
え、渋谷のあの子よりデカくない?
しかも当時は秋田マタギ達の相棒として野生の熊を相手にぶいぶい言わせていたとか。
つまり今、腕の中ですやすや寝ているのは仮の姿
中途半端なスペースではすぐにお引越しということになりかねない。
僕の部屋の一角をという話も両親からは囁かれたが
…冗談じゃあないぜ。
仕事で留守が多いとはいえ、初日にして家での地位を脅かされている身で
物理的な侵略行為なんぞは「とどめ」になりかねない。
僕は断固反対するのであった。
とはいえ
トイレは覚えさせなきゃだし、家じゅう歯形をつけられては堪らない
まだ幼いこの子にとって世界は程よく小さくあるべきである。
悩みに悩んで考えられた末、目をつけられたのは
玄関と居間をつなぐ廊下とも部屋とも言えない中間地帯
境にゲートを設置し出入口にすることで
そこを部屋に見立てて住まわせることにしたのである。
※おおよそ8㎡くらいのスペース
室内飼いで特に注意すべき3つのポイント
部屋がなければ部屋を作ればいいじゃない。
早速必要なものを買い揃え、作業に取り掛かる
大型犬は①足の股関節を傷めやすいとのことで
フローリングであれば滑り止め用のマットは絶対に敷き詰める必要がある。
特にも②夏場は1日に何度も水をがぶ飲みすることから
大きな水皿(わが家では土鍋)と容易に交換可能なペットシーツ台(わが家ではベニヤ板)
また③神経質な性格のため落ち着いてくつろげるように隅に小さい小屋を設置すればベリーグット
念のためドアのガラス部分を板で補強して衝突時の安全確保や
つっかえ棒による棚の地震対策、吠え声対策の防音カーテンを設置して…
完成!
これには将来の40キロ犬も大喜び。
小さい尻尾をビコビコ振って走り回り
ずんぐりした体を止められず壁に激突
「ゔぅ~っ!」と仔犬らしくない
でも狩猟犬らしいうなり声をあげおもちゃにじゃれついたかと思えば
数時間後
疲れたのか柵の上に顔をのっけて寝入っているではないか。
クッソかわいかったこの時は…
しかも寂しいのかみんながいる居間の方ばかりに顔を向けている。
ご飯を食べる時もテレビを見る時も3人の顔は
自然とこの無垢な寝顔に引き寄せられる。
世の中にこんなにも心穏やかにさせてくれるものがあったのかと…
最大にして唯一の欠点
ただしこの思い切ったリフォームには大きな欠陥があった。
玄関から外に出るにも、居間にいくにも
この「間」を避けては通れないということ。
そこで待ち受ける秋田犬という種に宿る狩猟犬の血
そして一癖も二癖もある「おはる」の性格というものに
もぐら家族一同この時はまだ気づいていなかった。
ギロリ…
To be continued…
Youtubeもやってます⇒秋田犬はるノ嬢@すぷりんぐちゃんねる(https://www.youtube.com/@user-zo6pt5rc2w)
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