早すぎる?大型犬、生後3か月のお散歩デビュー(仔犬編)

4つ足の同居人
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仔犬のお散歩デビューはいつから?

おはるの散歩デビューについて、
病院から1か月は控えるようにと言われていた。

ワクチンを打って免疫の獲得ができるまでにそれくらい。

けれどもついつい、早く外の世界を見せてやりたいと思うのはよくない方の親心、いたずら心からくるものだ。

常日頃、現実なんてろくでもないとくだを巻き、文句を垂れている自分なのに不思議とおはるが喜ぶことを疑っていない。

川の中央で獲物を狙うカワサギに跳ねる若鮎、
蔦に覆われた家の壁、橋の欄干をねり歩くボス猫の眼光

今はまだ種も仕掛けも知らない子供に見せる飛び切りの魔法

どんな反応が返ってくるのか楽しみで仕方ない!

その反応こそが自分にとって
シルクハットから飛び出る鳩なのだから。

はたして自分は1か月後まで我慢できるだろうか。

ダメなやつだった(飼い主が)

…結局、我慢しきれず外に出してみることにした。

ホントだめな飼い主だと思う。

どの口でおはるに対して「待て」とか教えているのやら。

生来人の言うことをあまり聞けない偏屈な一家なのである。

余談だけど、後におはるにもしっかり根付くこの偏屈さは現在進行形で僕を悩ませている。

それに言い訳じゃないけど、家のなかだけじゃおはるも退屈そうだ。

置いてきぼりで外に出ていこうとする時の擦りガラスに映る前足がひどく悲しい。

春が終わり切る前に、はるに春を見せてやることになった。

そういうやつだった(おはるが)

とはいえ歩かせたりするわけにはいかないから
リュックを前に背負い、
上のファスナーを半分だけ開き顔だけ出せるようにする。

散歩というより姫籠に乗せての神輿行幸の体。

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まだ耳が垂れていたからファスナーを閉じるにも引っかからなくてよい。

そして一緒に行けることがわかっているのか不思議と落ち着いている。

自分にとってそれが良いことか悪いことなのか
変に察しがよいのも昔からである。

最初はリュックを閉じ切って外に出る。

このころのおはるの体重が6~7キロ程度、
結構な重さのはずだけど職場鞄の方がずっしり重く感じるのは決して気のせいではない。

少し歩いたところでファスナーの形に光を差し込んだ。

そして左右に開くと、産まれたてですが?みたいにキョトンとした顔のおはる。

状況がまだよくわかってないのかな?と大人の余裕を張り付けて、
わくわくしながら待ってみること1分が経ち、2分が経ち



……

………なんと!なんの反応もない
!!

振っても揺すっても鳩どころかネズミ1匹出てこない

あまりに動かないものだから、通り過ぎる人たちも気づいていない。

気づいてもぬいぐるみか何かだと思っているようだった。

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素敵なマジックショーのつもりが、夜店でチンケな人魚のミイラでも見せられた気分。

だけれど今思えば、飼い主へのサービス精神が皆無なのも昔からであった。

そう、根っから変な犬なのである。

期待を裏切り予想も裏切る。

ご主人を喜ばせるために何かをするということをおはるは一度もしたことがない。
しかも解ったうえであえて裏をかいている節がこやつにはあるのだ。

この件以降、外に必死でついて来ようとするようになったことから
この時もやせ我慢で驚きを引っ込めていたに違いない。

楽しむのは自分であって楽しませる側ではない。

生来の女王様気質にエンターテイナーを期待した自分がおろかであった。

今ではすっかりそんなおはるも可愛いと自分が調教されてしまっているあたり
やっぱりそっちの方が向いているのであろう。

                        To Be Continued・・・ 

Youtubeもやってます⇒秋田犬はるノ嬢@すぷりんぐちゃんねるhttps://www.youtube.com/@user-zo6pt5rc2w

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