理想の愛犬を思い浮かべた時に、あなたの隣に座る犬種はなんでしょうか?
少年時代、僕はゴールデンレトリバーでした(おはるよごめん…)。
金色に輝く体に優しい笑顔を携えて、絶対に裏切ることのない誠実さ。
今は濃密な秋田犬ライフに脳をハックされていますが、かつての僕と同じという方は多いはずです。
近所にアメリカンゴールデンレトリバーを飼っているお家があります。
ちょうどわが家のおはると同じ3歳、性別は男の子。
誰もが孤立し、希望が見えなくなっていたコロナ禍の運命の幼馴染だったのかもしれません。
今一緒に暮らしている秋田犬と、近所に暮らす遠く夢に描いたゴールデンレトリバー。
今回は、そんな彼らを見ていて感じる和犬と洋犬の性格の違い、そしてその違いはどこからくるのかについてです。
犬種で迷われている方の参考にもなるかと思うので、最後まで読んでいってもらえると嬉しいです。
まず、ゴールデンレトリバーのナイスガイについて
和と洋、いきなり大きな話をする前に、彼のことを少し語らせてください。
とあるスーパーの帰り道、仔犬期の彼と出会います。
不思議なことに飼い主らしき人影はありません。
なんと彼は脱走中でした。
生後数か月ながら、その好奇心で家を飛び出し、おはるより早い外界デビューを果たしていたのです。
はじめて見る世界を前に、動けなくなってもよさそうなものですが、彼が夢中になっていたのは通りがかったお姉さんへのナンパでした。
初めての外出で腰を抜かしていたおはる。
ソーシャルディスタンスなんてなんのその。
まだ小さい、チャームポイントである尻尾をぶんぶん振りまわしてじゃれつきます。
ただ不幸なことに、そのお姉さんはイヌが大の苦手でした。
怯えた様子で立ちすくみ、可愛くもしつこいナンパ師に困り果てていたのです。
駆け付けた父に「いい加減、その肉球を放しやがれ」と捕獲され、自宅に連れ帰ったのが成り行きです。
初めてのナンパを邪魔されたわりに、彼は僕らを快く許し、懐き、成長した今でも会うたびに飼い主様を引きずりながら大きな体で飛びかかってきます。
僕が見習いたいくらい、いつ会ってもご機嫌な、気のいいナイスガイなのです。
性格の違いについて
僕が感じる、秋田犬とゴールデンレトリバーの性格は次のとおりです。
秋田犬 | ゴールデンレトリバー (アメリカン) | |
性格 | 保守的 | 楽観的 |
好意の伝え方 | 愛情を試してくる | 愛情をぶつけてくる |
家族との接し方 | ・家族が大好き。家族がいればそれでいい ・ひとりの時間も大切 | ・家族が一番だけど、みんなLOVE ・常にかまってほしい |
おはるが好意を隠しつつも深く嫉妬するめんどくさい女なのに対し、
彼は全方位に愛を振りまきます。ですが、自分だけを見てほしいという飼い主の気持ちに気づくことはないでしょう。
「え?みんなハッピーならそれが最高じゃん!」といった具合です。
なぜ、こんなにも違うのか
それは、日本人と欧米人の性格が違うのと同じだと思っています。
僕が2匹を見て思うのは、その犬種の性格が同じルーツの国民性と強く連動するということです。
おはるが人見知りな大和のお嬢なら、彼はハグが挨拶代わりのナイスガイです。
ですが同時に、西欧人のしっとりした品の良さも持ち合わせています。
そしてイギリスからアメリカに渡った彼よりも、純イギリス産のイングリッシュゴールデンの方が落ち着いていて、紳士だとか。
人の性格を形作るのは50%が遺伝で、50%は環境によるものと言われています。
遺伝だって、長い時間をかけてその国の風土や人々、環境によって培われていったものです。
人も犬も、種は違えど生きてきた故郷は同じ。
この国の四季の移ろいを、おはるの祖先もきっと見てきたのです。
人類最良の友と言われる彼らの視点は、限りなく人に近いものであったのではないでしょうか。
飼いたい犬種をイメージするときに大切なこと
だから、自分に合う犬種が知りたければ、彼らのルーツを調べ、そこで暮らす人々の国民性をイメージしてみると、意外としっくりくるというのが僕の考えです。
皆さんが気になっている犬種の出身地はどちらでしょうか?
自分も先ほど列記してみましたが、犬種の性格を調べると「フレンドリー」や「やんちゃ」、「気難しい」などが出てきます。
ですがそれは一部を切り取った「記号」にすぎません。
本当はもっと人間臭く、複雑で、どうにもしっくりこないのです。
なのでその記号に、彼らのルーツ、その国民性を重ねてみましょう。
より具体的に、男性か女性かまでイメージするのがおすすめです。
そうすれば、イギリス・アメリカ由来のゴールデンくんの「フレンドリー」や「やんちゃさ」、日本由来の秋田犬さんの「気難しさ」がどういったものか、少なからず肌感覚でイメージが湧くのではないでしょうか。
おすすめの犬種はどっち?
どっちも可愛いです!(おはるよごめん…)
なんなら、性格は彼の方がいいです!(ごめん…)
ですが自分に合っているのは、秋田犬だとも思っています。
「気軽に話しかけないで頂戴っ!」とおはるに怒られても、彼の尻尾はご機嫌です。
おはるが友達0人なのに対し、彼は100人いても不思議ではありません。
彼にとっては黒いカラスも友達なのです。
ですが、それでいいのです。
僕にとって、なかなか尻尾を振らないおはるの愛情は特別なものです。
そして秋田犬の持つその複雑さは、同じ日本人である僕にとって不思議とよくなじみます。
近くにきたかと思えば、気のないふりをしてうずくまる姿も、
手を差し出すと、うっかり振ってしまう尻尾も、
構いすぎると、最後は怒るところまで。
たとえ時代劇であったとしても、邦画の内容はすっと頭に入ってくるのと同じです。
その心情をなんとなく理解できてしまうのです。
おはるから見た僕もきっと同じでしょう。
お互い自然体でいられるのは、生活や心のリズムなど、深いところで同じものを共有しているからだと思っています。
日本人は和犬がいい!と言っているのではありません。
ただ、理想の愛犬はこんなはずじゃなかった!とならないように、その肌のなじみ具合や、なじまない部分までをも楽しむことができそうか、試しにイメージしてみましょう。
最後に、
秋田犬の性格を調べると「狂暴」というものが出てきます。
確かに事故も多く、その複雑さ故、切り取ってみればあながち嘘ではありません。
ですがやっぱり、しっくりこないのです。
彼女は臆病で、気位が高く、家族がなにより大切で、いざという時は薙刀をふるって戦おうとする、そんな大和魂を持った女の子なのです。
だからもし、あなたが街で秋田犬を見かけても怖がらずに、気取って歩くその後ろ姿に尻尾がうっかり揺れていないかを遠くから見てやってほしいのです。
あなたが記号に惑わされず、最愛の家族と出会えることを心から願っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
Youtubeもやってます⇒秋田犬はるノ嬢@すぷりんぐちゃんねる(https://www.youtube.com/@user-zo6pt5rc2w)
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